汗の中のクロタロウ

クロタロウの脱サラ体験と日々の気付きをつづります

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ZARD 3rdシングル「もう探さない」失恋した大人の女性の心情を切なく描く名曲

 

作詞:坂井泉水
作曲:織田哲郎

灰色の都会を見おろすこの部屋に
無口なノイズ残して
誰もいない…
電話も鳴ることさえ 忘れてる
自由になれた痛みね
 
あの夏の日…
子供のようにはしゃぐあなたが眩しかった
遠い記憶

肩をよせて歩く二人のコントラスト
溶け合うように 続いてたーもう探さないー
熱く生きることも ああ少し臆病になる
裸のままで 今は 愛せないから

 
時が過てばいつも切りかえは得意なのに
笑っていても苦しい…
年上の女と 暮らしていると聞いた
もう二度と電話できない

少し遠く見つめる瞳
きっとあの人を映していた
悲しいけど

誰のせいでもない 運命(とき)の悪戯だから
取り戻せない微笑みーもう探さないー
熱く生きることも ああ 少し臆病になる
あの頃のように 今は帰れないから

肩をよせて歩く二人のコントラスト
溶け合うように 続いてたーもう探さないー
熱く生きることも ああ少し臆病になる
裸のままで 今は 愛せないから

 

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一言で表すならば、目立たない名曲でしょうか?
ZARDはすべて名曲であることは自明ですが。

 

ZARD初期の真骨頂。
失恋した大人の女性の寂しさを、切ない曲と見事に溶け合って、聴いているだけで切なくなる詞です。

 

ところどころに絶妙な言葉をちりばめているところがニクイ!

「無口なノイズ」
ノイズと言えば耳障りな雑音。
それを逆の無口で形容して表現するところに思わず唸ってしまいました。
坂井さんにしか表現できない言葉選びです。

 

「熱く生きることも ああ少し臆病になる」
失恋したことで生きることへの熱量が減りますからね。
それを「少し臆病になる」と表現するところは絶妙だなあと感激。

 

「笑っていても苦しい」
うーん。わかります。
もう魂が身体から去っている状態に近いのに、
それでも、職場では普段通りに振る舞っている自分がいる。
苦しいですよね。

心ここにあらず。

仕事をしていても、
食事をしていても、
道を歩いていても
電車に乗っていても、
何をしていても
彼のことを考えている。
彼を探している自分がそこにいる。

 

でも、「もう探さない」と自分を鼓舞し、
美しい思い出に振り向かないで前を向いて行こう
という意思が芽生えはじめ、
「裸のままで 今は 帰れないから(愛せないから)」
と過去を断ち切る決意に変わる。

 

坂井さんの詞に一貫しているのは、
最後は「前を向いて歩くんだよ」と
励ましなんですね。

それを「頑張れ」という言葉を使わずに
相手に寄り添って、
相手の中から湧き出す力を信じて待つ。

 

そういう優しさがすべての詞に貫かれているから
世代を超えて人を魅了するのだと思います。

 

「誰のせいでもない 運命(とき)の悪戯だから」
運命を「とき」と読ませるところもまたまたニクイ!

“探しに行こうよ”でも
「国境」を「とき」と読ませているんですよね。

坂井さんは詩人だとつくづく思います。